導入事例
Rosicを活用して成果を上げている企業の事例をご紹介します
財務、営業、仕事、人事等の情報を統合した柔軟なレポートを実現し、 経営と現場を支援し、事業戦略を推進するシステム構築と運用に成功
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INTRODUCTIONINTRODUCTION
はじめに
水ingAMは、「総合水事業会社」水ingグループのオペレーション事業会社として、公共インフラ施設、各種産業・商業施設における水処理施設のオペレーション(維持管理)を行う会社です。300の事業所が全国各地にあり、約3,000人の従業員が、人々の生活を支えている水インフラの安全を日々守っています。
水ingAMでは、組織・仕事(プロジェクト)・人の情報を統合した「事業管理システム」を構築し、経営層や事業リー
ダー、地域・現場マネジャーのマネジメント支援に活用して、着実に成果を上げています。
今回は、システム構築プロジェクト立ち上げの核となった櫻井氏、システム運用の要となっている佐藤氏、データ活用の視点からシステムの発展を支える熊谷氏に、システム構築の立ち上げから、実際の活用場面、今後の発展についてお話を伺いました。
- 水ingAM株式会社、支店統括本部
プロフィット部 部長
熊谷 智一氏 - 水ingAM株式会社、支店統括本部
プロフィット部 OP管理チーム長
櫻井 俊輔氏 - 水ingAM株式会社、支店統括本部
プロフィット部
佐藤 悦子氏
INDEXINDEX
目次
- 「新プラットフォーム戦略」の実践と長年の課題解決を目指すシステムの構築
毎月、丸々3日はExcel作業に費やしているにも関わらず、本社と事業所で同じデータを
活用できなかった状況を打破するための「事業管理システム」とは。 - 一般的に良いと言われる】に惑わされないシステム構築ベースの選定
Excel?基幹人事システム?BI(ビジネスインテリジェンス)ツール?
どのような検討をして、システム構築基盤を決めたのか? - 自社に合った情報提供が、現場・経営層の意識と行動を変える
損益の数字、契約、仕事、人的情報を、事業所・エリアごとに一枚に集約したレポートを毎月更新。
経営層からは新しい要望が、地域マネジャーは自分の業務に活用。確実な行動変化が。 - 楽になるだけではない、「仕事の質を向上させる業務の効率化」を実現
現場での集計作業がほぼすべて削減、事業所の負担を大幅に減らすことにも成功したシステムが、
生み出した本当の価値は、人事・現場の仕事の質の向上だった。 - システムの質を大きく左右する、要件定義時のプロとしてのアドバイスと提案
敢えて人の手を介する運用を残すというアドバイスも。
走りながら考えていくプロジェクトにもかかわらず、良手戻りが非常に少なかった理由。 - 柔軟なレポーティング機能が、重要な仮説検証・未来予測を実現する
専用画面や固定テンプレートの限界を超えて、自社に必要な形のレポートをどのように
実現し続けているのか?「目からウロコ」の、Excelレポートの活用術も。 - 会社の文化や仕事の仕方を変えていく原動力となるシステムに育てる
人事関連の情報も含めて総合的な組織力のランキングを発表、健全な競争意識を育むとともに、
エリア内での学び合いも促進。ビジネスと組織・人の成長に貢献するシステムに - 水ingAM様の取り組みから学ぶべきポイント
財務、営業管理、人事管理といった既存のカテゴリを横断する必要があるため、既存システムの
観点から考えると、名前をつけることが難しいグレーゾーンへの取り組みは何故成功したのか?
「新プラットフォーム戦略」の実践と長年の課題解決を目指すシステムの構築
- まず、「事業管理システム」とはどのようなものなのでしょうか?
-
櫻井 氏
弊社には、全国に300ヶ所の事業所があり、それが50のPFエリア(PFはプラットフォームの略)に括られています。各エリアの状況を把握するために「PFエリアプロフィール」というレポートを作成するのですが、その基盤となるシステムが、「事業管理システム」です。事業管理というと、営業系の数字や財務的な数値の管理をイメージされるかもしれませんが、扱う範囲はそうした数値情報だけにとどまりません。「契約の情報」、「人員構成」や「資格に関する情報」、「人材のマネジメント」に関わる情報などもすべて一元化し、組織としての状況を総合的に、誰が見てもわかりやすい形で提供していくことを目指したものになります。
- そうした「事業管理システム」の構築を考えた経緯を教えていただけますか?
-
櫻井 氏
2018年、水ingAMとして「新プラットフォーム戦略」を掲げました。その中核の一つに「仕事の仕方を変える」というものがあります。それまでは、全国にある300の事業所それぞれが、離れ小島のように部分最適で動いていました。多少近隣事業所との協力体制はあるものの、隣の事業所が何をしているのか見えにくいという状態です。そこで、近隣地域の5~6ヶ所の事務所を集めてマネジメントする仕組みとして導入されたのが、50のPFエリアです。そしてできたPFエリアを活性化していくためには、他のエリアがどのような状態にあるのかを把握する必要があります。自分たちのエリアについての理解を深めることはもちろんですが、他エリアとの比較もできるようになることで、適切な競争意識が芽生え、他エリア・事業所のベストプラクティスに学ぼうという動きが出てくると考えました。そのためには、経営層や地域マネジャーがいつでも参照できる、統一したフォーマットの「PFエリアプロフィール」が必要だということになりました。
「PFエリアプロフィール」のイメージ
それと並行したもうひとつの課題として、事業所関連のレポート作成業務の効率化がありました。全国分の業務状況を本部が毎月Excelで集計していたのですが、その作成には毎回丸々3日かかっていました。その集計結果を300の事業所に切り分けて展開したい、と考えてきましたが、データの公開ルールへの対応が複雑だったこともあり、本部での活用に限定されていました。そのため各事業所でも、同じような集計がそれぞれ行われているという状況でした。全国の集計を速やかに各事業所に振り分けられる仕組みが必要ではないか、と考えていました。
この2つの課題を解決していくためには、PFエリアや事業所を支援していくために必要なデータをすべて格納できるデータベースを構築し、PFエリアや事業所での仕事の仕方を変えていけるような情報提供ができる仕組みが必要だ、ということになり、「事業管理システム」を構築することになりました。