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システム投資効果に大きな差を生む
今、人事に求められる『人材データマネジメント』の考え方

2019.09.25

システム投資効果に大きな差を生む「人材データマネジメント」

2019年9月現在、「タレントマネジメントシステム」「HRテック」といった名称の下、人事戦略をサポートすることを掲げたシステム/サービスが市場に多数出回っています。そこで成果を出し始めている企業がある一方で、

× 導入したけれどほとんど使えていない
× そもそも社内に展開できていない
× 経営層への提案力が上がったとは思えない


という状況に陥っている企業が少なくないのも事実です。

なぜ、そのような状況になってしまっているのでしょうか?

それは、現在市場に出ているシステムの多くが、狭義の「データ活用」(データを閲覧する、分析するなど)における「ベストプラクティス」(一般的に必要・良いと言われるもの)のバリエーションを提供することに焦点を当てており、ユーザーは、その目新しさや華やかさに気持ちを奪われがちである、というのが、大きな原因だと考えています。

本稿では、自社の人事戦略・経営に資するレベルでデータを活用するために必要なサイクルを、「人材データマネジメント」と捉えて、その必要性と、具体的に成功していくためのポイントを解説していきます。


狭義の「データ活用」にだけ焦点が当たってしまう構造


図1:今求められる、「人材データマネジメント」のサイクル

01.jpg  自社の人事戦略・経営に資するレベルでデータを活用し、人事をはじめとした、人材や組織マネジメントに関わる人や組織の力を上げていくためには、図1に示したようなサイクルを回す必要があります。

 しかし現在は、狭義の「データ活用」に焦点を当てたシステム/サービスが多いこと、そこからのアウトプットがわかりやすく見えることなどから、 「データを活用する」という部分に、大きくスポットライトが当たっている状態と言えます。



図2:「データ活用」の部分にだけ焦点が当たってしまっている

02.jpg その質を上げるために必要となるインフラ部分(土台)と、活用を自社にとって活きたものにするための意識や活動という存在が、見落とされている、もしくは軽視されている状況になっています。

それは、

「データの一元化など、簡単に出来て当たり前」
「提供される『ベストプラクティス』がすべてを解決するはず」

といった各種の思い込みや、

「具体的な形として見えにくい(見せにくい)部分に対する投資の意味を説明しきれない」

という関係者の理解不足が絡み合って、起きていると考えられます。

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