コラム
経営DXの推進、データ活用で成果を上げるために必要なことを考えます
事業運営に資する、新しい概念の「経営情報システム」が求められている
2023.12.18
事業運営に資する、新しい概念の「経営情報システム」が求められている
ここ1,2年、管理会計・予実管理が中心の「経営情報システム」の範疇を超えた、新しい概念の「経営情報システム」へのニーズが増えてきていると感じています。新しい概念とは、「事業を計画し、運営していくために活用できる」、ということです。
単年視点だけではなく、中期・長期のスパンで事業を維持・発展させていくためには、売上や利益、原価といった数値情報の時系列×カテゴリ分類で把握しているだけでは不十分です。結果指標だけではなく、目標にたどり着くための各種の先行指標も、同時に把握していくことが求められます。
加えて、中長期での事業計画・運営に取り組むためには、数値化できる指標だけではなく、組織のタスクや、人材配置、技術・スキル、経験といった人材・組織関連情報の統合も必須となってきます。
また、変化する環境のなかで事業を運営していくためには、固定されたレポートを見ているだけでは不十分です。皆が同じ情報を共有できる基盤を確立すると同時に、BIツールを活用することも求められています。そのためには、必要なデータが、過不足なく、精度と鮮度をもってツールに連携することが必要となります。
しかし、冒頭でも触れたように、市場に出回っている多くの「経営情報システム」は、管理会計と予実管理を目的としているものが主流となっています。そこでは、各社独自の様々な先行指標や、人材・組織関連の情報などを含む多岐にわたる情報を、望ましい形で取り込み、格納することが困難であることがほとんどです。「経営情報システム」と呼ばれている仕組みが存在しているにも関わらず、事業を計画・運営していくための情報は、都度手作業で収集・整形し、資料を作成しているという話は珍しくありません。
では、新しい要望に応えていくためには、「経営情報システム」はどういう要件を満たす必要があるのでしょうか?
1.総合的な「データマネジメント」ができること
① 様々な種類のデータを確実に集める(連携/一括取込/登録・更新)
② 格納されたデータを最適な形式に変換・加工する
③ 格納されたデータを必要な単位に集計する
④ ルールに基づきデータを集約・配賦する
⑤ 分析に必要なマスタを管理する
2.必要であれば、開発にも対応できること
3.高度なBIツールでの使用に耐えうるデータベースを構築し続けることができること
そして、こうしたシステムのポテンシャルを最大限に生かすために、システム導入時に、高い要件定義を実現できる人材が関わることも、重要な要素となってきます。望ましいかたちは、
● 事業計画・運営の将来像を描き、コミットしていける人材
● 過去から現在の運用を経験・熟知している人材
● 事業計画・運営一般の知識と、システム・データマネジメントの知識が豊富な人材
が、パートナーとして、しっかりとタッグを組むかたちでプロジェクトを立ち上げることです。
私たちがご支援した例としては、水ingAM株式会社様(以下、水ingAM様)において、財務、営業、仕事、人事等の情報を統合した柔軟なレポートを実現し、 経営と現場を支援し、事業戦略を推進するシステム構築と運用を実現したケースがあります。水ingAM様は、「総合水事業会社」水ingグループのオペレーション事業会社として、公共インフラ施設、各種産業・商業施設における水処理施設のオペレーション(維持管理)を行う会社です。全国各地に全国各地に300の事業所があり、約3,000人の従業員が、人々の生活を支えている水インフラの安全を日々守っています。それらの事業所の運営の質を、総合的かつ中長期的に上げていくために、システム構築に取り組まれました。詳細は、
インタビュー記事を読んでいただければと思いますが、確実に成果を出して、毎年システムを成長させておられます。
また、製造業の技術開発部門において、中長期的事業運営に資するデータ活用のご支援も進めていますが、経営層、事業責任者の方々から「こうした情報が欲しかった!もっとこういうことはできないのか?」と、システムリリースと同時に更なる期待と要望をいただくプロジェクトとなっています。
いずれも、Rosic経営情報システムをベースに、各社の担当者の方々と密に連携し、弊社のコンサルタントが導入支援を手掛けている、新しい概念の「経営情報システム」構築の事例です。
- 経営、事業計画・運営にデータを活用したいのだが、
管理会計・予実管理の「経営情報システム」では対応できていない - BIツールを活用しながら事業計画・運営を行っていきたいが、
そもそもBIに渡すデータを整備することが困難
Rosic経営情報システムは、新しい概念の「経営情報システム」として、こうした課題を解決し、各事業経営者、運営者の支援に成果を上げています。どういったものであるか、一度ご確認いただければ幸いです。
以上
2023年12月18日